ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

「虎の巻(「芸事などが上達する秘訣を記した書」)」には及ばないけど、でも、ほんとのことだけ記していくよ! 小説同人誌にまつわるそんな心意気を、もりもりこめたブログです。

基本の基本、原稿テンプレートの開きかた

 

こんにちは。

猫宮ゆりです。

 

ゼロから小説同人誌をつくる際、

意外とよくわからないのが、データ原稿のテンプレートの

開きかた。

 

テンプレートとは、各印刷所さんが配布しているもので、

それにしたがって表紙や本文の事務ページを作成すれば

サイズぴったり、解像度もカラーモードも心配なく、

文字や絵柄が切れてしまう懸念もないという

すぐれものです。

 

が、小説で活動しているいわゆる字書きさんの場合、

Wordのテンプレートならよくわかるけど

表紙や事務ページに使うやつはよくわからないから、

表紙も事務ページもWordでつくって全部PDFで入稿……と

いうかたも多くおられます。

 

もちろん、Wordでも素敵な原稿がつくれますし、

文字だけのデザインなども高潔で美しいですから、

まったく問題はありませんが、もし

「よくわからないから」

「難しそうだから」

「自分にはできないだろうから」

だけでチャレンジしないのだとしたら、

ちょっとばかりもったいないかもしれません。

 

わたし自身も以前はそう思っていましたが、

少しずつやっていくとほんとうに世界が拡がりました。

作品に表したいことを、表紙や事務ページにも

込められると、もうとんでもなく楽しいです。

ツールを使いこなせているかといえばそんなことはないし、

遊んでいるだけですが、自分が楽しいのが一番。

 

そこで、今回はメイキング仕様で、原稿テンプレートの

開きかたを追っていきます。

やったことがないかたも、開いてみてあれこれ文字や

装飾を入れていくと、テンションが上がると思います!

 

↓これは、以前

小一時間で、フリーソフトのメディバンペイントのみで小説同人誌の表紙を完成させるメイキング - ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

↑の表紙メイキングで作成したものです。

 

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必要なもの

・PCとインターネット

・原稿テンプレートを開けるツール

 

これだけです。

今はツールにスマホ版もあるようですが、わたしは

使ったことがないのでここでは割愛とします。

 

原稿テンプレートは多くの場合、PSD形式になっています。

そのため、PSDを開くことのできるツールが必要です。

Photoshopやクリスタなどですが、

フリーソフトのファイアアルパカやメディバンペイント、

GIMPも充分に使えます。

わたしも初めて使ったのはファイアアルパカでした。

 

小説サークルさんに特におすすめなのはメディバンペイントで、

これはフリーソフトな上、高機能で印刷に耐えるトーン素材も

あり、さらにフォントワークス社さんのフォントの多くを自由に

使うことができます。

Twitterのヘッダーやアイコン用画像をつくりやすい設定もあったり、

不足要素といえばCMYKにできないことだけ、というくらい、

お得で楽しいツールです。

 

ので、今回はメディバンで開いてみるメイキングです。

 

 

まずは、好きな印刷所さんのサイトへ行きます。

一例としてSTARBOOKSさんで……

 

サイトトップ下部の「テンプレートダウンロード」から進むと、

「こちらに移動しました」となっているので遷移します。

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テンプレートについてのページで、説明と各テンプレートの

リンクがあるので、任意のものをDLします。

メディバンの場合は、「PSD(RGB)」となっているものを

選びます。

 

 

今回は、A5表紙用背幅4㎜のものをDLしました。

データはzip圧縮されているので、まずはそれを開きます。

 

そのあとは、開いたデータから「プログラムから開く」などを

選択してメディバンに行ってもいいし、

メディバンを立ち上げてから、「ファイル」→「開く」で

該当のデータを開いてもどちらでも大丈夫です。

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無事に開くことができました。

あとは説明に沿って、好きなようにデザインしていくのみ。

最後は説明レイヤーを削除して、すべてのレイヤーを統合します。

(メディバンの場合は「ラスタライズ」です)

 

事務ページ用に使いたい場合は、本のサイズに合った「モノクロ本文」の

PSDテンプレートをDLすればOKです。

スタブさんでは単ページ用と見開き用がありますが、通常は単ページを

選びます。

メディバンでは本文原稿も、グレースケール(8dpp)か

モノクロ二階調(1dpp)を選択可能です。

 

テンプレートは、各印刷所さんによって仕様が異なりますが、

大抵の印刷所さんは他社のテンプレート使用もOKなので、

(必ず確認してください)

自分の使いやすいテンプレートを見つけておくのもいいですね。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

http://noveldoujin.wixsite.com/novel-doujin

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小説原稿の執筆時環境・ツールの話。

 

こんにちは。

猫宮ゆりです。

 

 

今日のお昼の「徹子の部屋」で、

ゲストが佐藤愛子さんでしたね。

御年93歳、現役作家。

ご自身の審美眼と考え方・価値観が揺るぎなく

据わっておられるな、と感じ入りました。

 

番組の中で佐藤さんが、執筆時のことについても

少しお話でしたが、

書くのは原稿用紙にペンで、ずっと手書きを通しておられ、

そうでないと書けない、という意味のことを仰せでした。

 

ワープロで書けるかたは、頭の中に文章ができあがってるのね、

私は書かないと」

とおっしゃっていました。

 

また、仕事部屋の机のすぐ横にベッドがあり、

それだと休んでいるときに原稿で直したい箇所が思い浮かんでも

すぐ直せる、机とベッドが離れてると面倒になってそのままに

してしまうから、とのことで

それにも非常に、得心しました。

 

書くこと、文章をつくることのツールに関しては、人によって

さまざまな声がありますよね。

作家さんでも、ずっと手書き、あるいはずっとパソコンなど、

これは年代もあるのでしょうが、いろいろですよね。

 

手書きからパソコンに、何の問題もなく誰にも気づかれることなく

移行できた、という作家さんもいます。

 

 

いずれにしても、

執筆環境やツールは自分にとって使い勝手や使い心地のいいのが

一番ですね。

 

わたし自身は、小学生から20歳過ぎまでずっとノートや原稿用紙に

手書きで、

その後20代半ばで携帯サイトをはじめ、ガラケーで文章を打つように

なった当初、やはり全く勝手が違っていて苦しみました。

ガラケーの画面で横書きで小説を打つ、ということが

当時は非常に苦痛でしたね。

 

それから、ガラケーに馴染んだあと、パソコンで作品をつくるように

なりましたが、これがまた慣れなくて(;^ω^)

こう、思考ゾーンにあるものを引っ張ってくる際に、キーボードを

打つ手先と全く連携がとれなくて、慣れるまで大変でした。

 

 

現在は支障なくなりましたし、それに紙と違ってデータ原稿だと、

簡単に原稿の控えをとれるのは素晴らしいですよね。

原稿用紙時代は、コピーをとるのも枚数が多いとお金も時間も

かかったし、それゆえ自分の手元に過去作はほとんど残っていません。

 

 

いずれにしても。

自分に合った環境とツールを整えて、原稿に向かうことができると

いいですね(*´▽`*)

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

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小説同人誌の、価格設定の話。

 

こんばんは。

猫宮ゆりです。

 

折に触れて話題になる、同人誌の価格について。

こればっかりはほんとうに、唯一無二の正解もないし、こうするべきという指針もない。

でも、

なんとなく暗黙の了解的に、各ジャンルによって相場のようなものも存在している……。

 

そんな感じでしょうか。

ユリお姉はどう思う?

 

ユリお姉>

そうねー。

これもほんっとに、ある意味、永遠のテーマよね。

みんなが悩むのもわかるもの。

「自分のサークルだけ周りより高いと思われたらどうしよう」

とか、

「かといって安すぎて周りから迷惑がられてたらどうしよう」

とか、

ぐるぐる考えちゃいやすいポイントがいっぱいあるもんね。

旬ジャンルは旬ジャンルで、比較対象になるものがたくさんあるから気つかうし、

マイナーはマイナーで、「あんま高くしたらまずいかな」とか、なんか、そんな空気あるしね。

 

やっぱり、特に女性向けサークルさんや女性が多いジャンルは、

あれこれ気をつかう場面が増えがちですね。

ユリお姉は、どうやって本の価格決めてる?

 

アタシの場合は、自分の本の値段で迷うことはないから、早いわよ。

超単純に、A5の本ならページ数で考えて、

たとえば表紙込み76ページなら700円。

46ページなら400円。

86ページなら800円よ。

 

けど、仮に表紙込み50ページだったら、400円にする時と500円にする時がどっちもあるわね。

事務ページがほとんどない50ページなら500円にしちゃうし、

事務ページが多めの50ページなら400円にしとく。

あと、特殊加工や特殊装丁は関係なしね。

それをやるのは創り手の自己満足だから、価格には上乗せしないわね、アタシは。

 

それと、再録だったら-100円、アンソロとかもおおよそ-100円。

 

あ!オフセかオンデマかコピー本かは、価格を考える上で関係ないと思ってるわっ。

コピ本だから安くしなきゃとか萎縮することないわよ。

 

ああ、それはわかりやすいね(*´▽`*)

あと、他に気をつけてることとかある?

 

そうね、あとは、

「全部売れても赤が出る勘定ではつくらない」

ってことかしら。

アタシにとっては、本づくりや同人活動は、長く続けていきたいことだから、

やっぱりそういう部分で赤が多いと、継続してくことがだんだん難しくなっちゃうじゃない?

 

オフセットである程度の数を刷れる時はともかく、

マイナーCP本をオンデマンド少部数で出したい時なんかは、

ちょっと装丁凝ると1冊あたりの単価がぶっ高くなっちゃうでしょ。

そこらへんをいろいろ工夫して、凝りつつ赤を出さないラインを探る感じね!

 

少部数の時は、1冊からOKな印刷所さんでつくりたい数よりちょびっとだけ少なめにお願いして、余部で総数を足らすようにしたり、

超マイナー嗜好ものだったら事前に希望を募って、受注生産スタイルにするとかも無駄がなくてレア感もあってアリよね(*'ω'*)

あと、トータルで考えるようにして、今回は箔押ししちゃったから次はシンプルな本にしようとか、年間単位でうまいこと帳尻を合わしてくってのもいいと思うわ。

 

そうやって、負担のないかたちで本をつくるようにすれば、より長く楽しく続けられるでしょ。

あと、本の中身もそうだけど人と比べないってことね。

比べたってどーしよーもないでしょ。

自分で決めんのよ。

 

なるほど!

確かにね。

 

 

あっ、ただ、今ちょうど時期だから言うけど、

同人活動も一定以上の売り上げがあったら、ちゃんと確定申告しなきゃダメよ!

隠してると、どっかからばれるらしいからね……

それは、気をつけてね。

アタシとの約束よっ☆

 

あと、一次創作はともかく、原作のある二次ではやっぱり、あまりにも売れちゃうと(利益が出ちゃうと)いろいろ、やっぱりまずいから、数百部以上はける人はちょっと工夫したり、気をつけたほうがいいとは思うわね。

 

じゃあまたね!(*'ω'*)

 

それらの辺りは本当に大事なところですよね。

うっかり、のないように……。

そこは気をつけて、楽しく同人活動を続けたいですね。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

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原稿を早く仕上げる方法?自分のタイプを知ること。

 

こんにちは。

猫宮ゆりです。

 

よく、Twitterなどで、

「こうやれば原稿が捗る!」というやりかたなどが

リツイートされていますね。

 

「なるほど!」と思う方法も多く、自分に合うと感じたら

取り入れてみるのも一法ですよね。

 

ただ、わたしが思うのは、

やっぱり、

「自分のタイプを知る」のが基本だなあ……ということ。

 

これを無視して他者のセオリーを採用しても、

それは、作業効率を上げてはくれないのです。

 

どういうことかというと、

人それぞれ、生まれもったタイプがあり、

これは多くの場合、一生ものです。

そのタイプに優劣や善悪はなくて、

ただ、「こういうタイプ」なのだ、ということ。

 

つまり、

原稿を進める際に、大まかに分けて

とことんひとつの作品、ひとつの作業に集中しまくる過集中型と、

ちょこちょこ脱線・寄り道しつつ、あっちこっちの作品を同時進行で

進める柔軟型がいる。

だいたいの人は、このどちらかに自分の特性を置いています。

 

(そこからさらにオプションで、基本は過集中だけど時々むらっ気を

起こす人、ちょこちょこやるのが普段だけど時に寝食を忘れる人など、

さまざまな癖が派生して存在します)

 

で、この特性を無視したりあるいは矯正しようとすることは、

作業を進める上で、全く効果的ではないのですね。

 

あっちこっちちょこちょこやりたい人が、ひとつの作業や作品に

かじりついても全然自分らしい表現ができなくなるし、

過集中タイプはちょこちょこやるなんて拷問に等しい行為ですし。

 

だから、自分の特性や癖を曲げずに、それを伸ばすようなかたちで

作業を進めてゆくことができると、

もっとも自分らしい表現が叶うということ。

 

わたしなども、典型的すぎる過集中タイプで(;^ω^)、

やり出すと、インターネットは切って、ごはんも食べず

ずーーーっと原稿しています。

原稿中は1日1食ぐらいですね……

こういう気質なので、ちょこちょこやれと言われたらもうもう、

苦痛ですね。

 

自分の特性を伸ばして、自分に合った方法で原稿を進めるのが一番です。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

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「できること」は、やってみてから書く

 

こんばんは。

猫宮ゆりです。

 

今日のタイトル「できることは、やってみてから書く」、

わたしはこれを、とても大切にしています。

 

創作する際、資料をあたって下調べすることも大事だし、

行ける場所なら取材にいってみるのも有意義だし、

考証や検証をしてみることも、作品に説得力を持たせるために

非常に重要です。

 

でも、わたしの場合、それ以上に重視しているのは、

「自分でやってみること」。

 

作中に出すひとつひとつの動作、振る舞い、態度など、

すべてやってみてから描写します。

 

たとえば、

「○○は頬杖をついた」という描写ひとつとっても、

実際にやってみると、テーブルの高さや座っている姿勢が

どうなのか、それによって頬杖の具合が変わってくると

わかります。

 

また、

「○○は茶を飲んだ」だけだと、具体性に欠けますが、

実際に試してみれば、カップの持ち方でその人物を表すことが

できるバリエーションも増やすことができます。

 

「両手でカップを持ち上げ、ふうっと息を吹いた」なら

ちょっとぶりっ子な女の子、

「片手でカップをひょいと取って冷めた茶をあおった」なら

手の大きいちょっぴり粗野な男キャラ、

「細い指が静かにカップの持ち手を取り上げた」なら

上品なお姉さんキャラかな、など、

その場面に膨らみを持たせることができます。

 

動きの激しい場面などなら、一連の流れを自分がやってみると、

細かいところまで描けるようになります。

「あ、こう動くと髪がこんなふうに乱れるのか」

「こうすると、スカートの裾はこういうふうにめくれるんだな」

「腕をこう上げると、下着のストラップがずれちゃうな」

など、実感を伴う描写は臨場感を底上げしてくれて、ぐっと

場面に迫力が出るようになるのですね。

 

むろん、

戦争や人を殺傷するシーンなど、「できないことを、目の前で

起こっているように書くのが小説」ではあるのですが、

簡単にできることは、やってみるのが一番です。

 

絵画でも、想像上のものはイメージで描きますが、

実在するものは写生をしますよね。

それと同じことです。

 

自分の身体でできること、走る、転ぶ、倒れる、歩く、食べる、

飲む、話すなどは、

やってみると本当にそのシーンが生きてきます。

そしてその積み重ねは、想像で描写する際の筆力も引き上げて

くれます。

 

「できること」はやってみる。

シンプルですが、とても有効な方法です。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

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他表現の妙を小説に生かす②絵本・バレエ・歌詞・俳句

 

猫宮ゆりです。

先日の記事

他表現の妙を小説に生かす①映画や漫画・アニメーション - ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

の続きです。

 

 

ユリお姉>

もっと早く続きの話をしたかったんだけど、

煙突についたつららを取りにいってズザザってすっ転んだり、

低温やけどでハート型の水ぶくれができたり、

祖母の形見のひな人形を出したりしてたら

今日になっちゃったわね!!( ノД`)

んじゃいくわよ!!

 

 

まず、絵本?

 

 

そう。

アタシは幼稚園時代からずっと絵本が好きなんだけど、

絵本を語らずして表現は語れないわね!!アタシの場合!

 

難しい言葉や言い回しを使わなくても、ややこしい描写を

しなくても、

人の心の琴線へ触れる表現ってできるのね。

絵本の感動って、理屈じゃないものをわかち合うっていうか、

かたちにできないものを伝えられる類のものじゃない?

それってほんとに美しくて、色褪せないし古くもならないし、

押しつけがましくもないし。

 

小説でも、言葉を費やすより行間からしみ出すような表現が

したい人には、良い絵本は最高のお手本になると思うわ。

 

 

確かに、絵本の描写って、すごく心に残るものがあるね。

それから、バレエ?

 

 

そ。

アタシ、バレエもめちゃめちゃ大好きなんだけど、

バレエって、言語での表現がないでしょ。

すべて、動作や演技、そして、マイムで表すの。

でも言語が使えないってことが決して制限じゃなくて、

ものすごく雄弁なのよ。

 

そしてね、その演じ方が、すごく役に肉薄していながら

客観的なの。

それが、小説描写にも参考になる。

 

ある、著名なバレリーナのかたがね、

バレエって、ヒロインが若い娘である作品が多いけど、

自分がその年齢の時には大抵、うまくなんて演じられない。

年を重ねてから、その年頃の娘心の機微をはじめて表現できる

ようになるって意味のことを仰せで、

 

それは、小説でもそうよね。

空気とか、雰囲気みたいなものは、渦中にいる人のほうが

うまいんだけど(中高生が書いた小説の学校のシーンは、

だいたいすごく上手ね)、

人物の心象や感情とかは、渦中にいると切り離して見ることが

できないから、これは大人が書いたほうが巧みよね。

 

いったん我がこととしてのみこんで、そしてそれを客観視して

外へと放つ。

そのことを、バレエから学べると思うわ。

 

 

なるほどね。

ロミオとジュリエット」なんてほんとにそうだよね。

で、次は、……歌詞?これは?

 

 

ねー。

あ。次ね。

歌詞はね、これはもー、ものすごく勉強になるわよ!

 

あのね。

アタシね、幼少時代、いっつも祖父母の家に

預けられてたんだけど、

そこで、明治生まれの祖父のあぐらの中で、よく

祖父が好きだった音楽を一緒に聴いてたのよ。

ふるーーーーい蓄音機でね、音の調節とかできないから、

これかけたら近所中に響き渡っちゃうでっかい音で、

けど誰も文句なんか言わなくて、ぞろぞろ縁側に集まってきて、

みーんなで音楽を楽しんだもんよ。

 

その、祖父が持ってたレコードってのが2枚しかなくてさ、

ひとつは「薩摩の女」サブちゃんね。

もうひとつが、二葉百合子さんの「岸壁の母」だったの。

それが、アタシにとって強烈な原体験ね。

 

この「岸壁の母」と、あと

「みだれ髪(美空ひばり)」

越冬つばめ森昌子)」

「北の宿から(都はるみ)」

神田川かぐや姫)」

「愛人(テレサ・テン)」

 

ちょっと、リンクは貼らないけど、歌詞見てきて!

 

 

……どう?この歌詞だけで、どれも、今すぐにでも小説が

創れそうでしょ?

 

歌詞ってね、こんなに少ない文字数で、とんでもなく

物語を内包してるのよね。

その歌の世界観を濃縮したというより、世界観そのもの。

描写でありながら骨子であり、

揺るぎない表現でありながら歌声と音色の引き立て役にもなる。

こういうものって、そうはないわよ。

 

岸壁の母」は1回聴いただけで、晴れの日も雨の日も岸壁へ通う

母の服装や足どりまで想像できるし、泣けてくる。

 

越冬つばめ」の出だしなんかもうずるいわよね!!( ノД`)

美しすぎる上に切なすぎる……。

 

とにかくね、語りたいことは山ほどあるんだけど、

歌詞はこんなふうに、「世界観を凝縮する」ってことを、

ものすごくものすごく示唆してくれるの。

「その世界への引きこみかた」も、教えてくれるわ。

越冬つばめ」も「愛人」も「みだれ髪」も、

1行め、ひとことめから、完全にその歌の世界へ

引きこむつくりよね。

これは、小説の冒頭にも役立つわよ。

 

 

あー、ほんとだ(´;ω;`)

歌詞に思わず泣いてました。

ドライアイ予防にもいいですね……。

さて、そして、最後なんだけど、「俳句」?

 

うんうん。

泣くのは心の安定にもすっごくいいのよ。

 

んでね、この「俳句」なんだけど、

テレビ番組「プレバト」の、夏井先生の俳句添削のこと。

観たことある?

あれ、すっごいわよ。

 

 

「才能ナシ」とか「ど凡人」とかなるやつね?

 

 

そうそう!

あれ、アタシも最近は観てないんだけど、観てるとすごく

参考になるところがあるわよね。

小説と俳句は全然違うけど、取り入れられるものがいっぱい

ある。

 

俳句は、単純に使える言葉の数が少ないし、端的でなきゃいけない。

でも、広がりのある表現をしてこそ味が出る。

小説の描写がくどくなり過ぎる人や、説明過多になりがちな人には

特に有益ね。

推敲の時に、どこをどのぐらいいじればいいのか悩みすぎちゃう人にも

いいと思うわ。

あれを観てると、どこがいらない部分でどこが光る部分なのか、

ちゃんと自信持って判断できるようになるから!

 

なるほど!

いろいろなものの良さや利点を吸収して、自分の創作に生かして

いけるといいですね。

 

ね!

勉強になるものは、そこらへんじゅうに転がってるから、

全部有効活用してきたいわよねっ。

 

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

http://noveldoujin.wixsite.com/novel-doujin

 

他表現の妙を小説に生かす①映画や漫画・アニメーション

 

こんばんは。

猫宮ゆりです。

 

今回は、小説に生かせる他表現の良さ、

取り入れて活用したい素晴らしさを、

ユリお姉とともに掘り下げてゆきます。

 

 

ユリお姉>

いいお題ね!!

やっぱり、いい小説を創りたいと思ったら

いい小説を読むのは超大事だけど、

馬鹿のひとつ覚えみたいに小説ばっか

読んでたってダメなのよね。

視野が狭くなっちゃう。

頭も固くなって、なんかこうわかったよーな

気になっちゃいがちになるもんね。

なーんもわかっちゃいないんだけど。

 

 

ユリお姉は、他表現で特に参考にしている

ものはある?

 

映画やテレビドラマは、好きな作品が多いわよ!

アタシは、なんでも食わず嫌いせず観るって

ほうじゃないんだけど、

気に入るともーーーはまっちゃう。

 

で、映像作品ってさ、やっぱ、生身の役者さんが

動いてくれるのが最高よね。

間の取りかただったり、場面の切り替わる箇所だったり、

すごく刺激になるわ。

小説にしたいシーンを、映画みたいに頭の中で活写して、

よりドラマチックになる体勢やアングルを編み出すのにも

参考になるし。

 

あと、なんといっても台詞の言いかたよね!

声のトーンや言いあぐねたり言葉に詰まる感じ、

あとヤクザ映画で罵声あげたりやられて呻く感じとかも

もーーーー超大好物よ(≧▽≦)!!!!

え?話が脱線してるって?

してないわよ、参考になるって話じゃないの。

ま、あくまでもドラマもフィクションだから、そればっかり

参考にしてると逆に芝居がかった台詞ばっかになっちゃたり

するけどね。

 

 

なるほど。

でも確かに、映像作品での人と人の距離の取りかたや

表情、身振り手振りはすごく刺激になりますね。

漫画とかはどう?

 

 

もちろん漫画も好きよ!

こないだここのブログでしてたヨータと伸子ちゃんの話

アタシもめっちゃうなずいてたもの。

あれはすごいわよね……。

なんかさー、他の漫画だと、

「紙の上に描いてあるな、平面だな」っていうベース感覚のあとに、

「面白いな」「うまいな」「すごいな」とかって感想が出てくる

んだけど、

桂先生の漫画は、まず「平面だ」って感じないのよね。

あのシーンも、ガチで「触ってる」って感覚が伝わってきたわ。

 

漫画で勉強になるのはやっぱり、描写の強弱だったり勢いだったりの

表しかたと使い分けよね。

それと伏線の入れかたとか。

 

あと、漫画で映像作品の良さを取り入れているものもあるわよね。

ルパンの原作者モンキーパンチ先生も、映画が好きで、

「映像のように絵を表現すること」を大切にしているそうよ。

だからスリルがあって起承転結のきいた作品づくりが巧みで

おられるのね。

 

 

へえ!

じゃあ、アニメーションはどう思う?

 

 

アニメーションは、もともとアタシは全然観ないほうだったの。

だって、しょーがないけど、アニメってどうしてもこう、

演出過剰ってゆーか、こう……

「こんな喋りかたする人いないでしょ」って感じじゃない?

トースト食いながら突っ走って「やっべー!遅刻遅刻ぅ!」とか

テンション高く言ってる日本人見たことある?

いないわよ(´-∀-`;)

どっちかってゆーと冷や汗だらだらで無言でひた走る感じじゃない??

 

とか思ってたんだけど、

このごろは、ひとつ毎回観てるアニメがあるわよ。

そして、これもすごく刺激になってる。

小説でも漫画でも映像でも表現できないものを、

アニメは表現できるんだってわかったのよ。

フィクションと現実の間、

ファンタジーと現実の間にあるものを、

アニメだと描けるんだってね。

そういう、目に見えない領域を小説表現にも

生かしたいわよね!

 

 

イマジネーションが拡がるね。

そのほかは?何かある?

 

 

いーーーっぱいあるわよ!

あと4個ぐらいあるから、

一回区切ったほうがいいかもっ。

 

 

 

では、いったんカットで続きます!

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

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