ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

「虎の巻(「芸事などが上達する秘訣を記した書」)」には及ばないけど、でも、ほんとのことだけ記していくよ! 小説同人誌にまつわるそんな心意気を、もりもりこめたブログです。

はじめに必ず決めること:小説技術

 

こんにちは。

猫宮ゆりです。

 

小説技術を掘り下げるこのカテゴリー、今回は

「はじめに必ず決めること」です。

 

はじめに、というのは、その小説に着手する前に、

ということなのですが

はじめに決めること。

それは、表題でもプロットでもなく、

 

 

「視点をどうするか、何をいちばん表したいか、

その作品の最大の骨子で最大の屋台骨になる部分は何なのか」

です。

 

そこさえ最初にしっかりさせておけば、プロットなんかなくたって

小説は動きます。

逆にそこが定まっていないと、どれだけ設定や筋書きを固めても

だんだん話がぶれていってしまいます。

設定や筋書きは、その作品が基盤を固めた上ではじめて機能する

加速装置であり、

物語の幕を開け最後まで運行する基盤が、視点と骨子なのです。

 

視点の決定は、最重要です。

誰のどんな視点でいくのか、途中で切り替わるのか、ずっと同じ視点で続けるのか、

群像劇なのか、主人公の一人称なのか、

それを最初に確定させて、作中で必ず違えないこと。

 

ここを徹底させるだけで、作中に大きな矛盾や違和感が生じなくなります。

 

途中でなんだかぐだぐだになる、というのは、

そこを決めないまま走りだすからです。

 

 

作品の骨子、屋台骨になる部分をがっちり定めることも大事です。

ただここは、必ずしもロジカルに決めておく必要はなく、

イメージであったり、茫洋としていてもいいのです。

その、実体のないイメージに色をつけ、輪郭を刻み、質感を与える作業こそが

「創作する」ことだと言えるからです。

 

イメージを確定させてそして、そこへ向かって始動させる。

そこを目指していく、そのイメージに近づき、迫り、かたちにしていく

感じで進んでいけば、おのずとそのイメージは作品の世界観に結実します。

 

ここが決まってからだとタイトルもつけやすいですしね。

作品全体の統一感、全編に漂う空気感も、ここが濃ければ濃いほどその

純度が高くなります。

 

何を表したいか、何が言いたいか、何を伝えたいか。

それも、骨子を据えると同時に明らかになってきます。

そして明らかになったら、そこから手を離さず、イメージと一緒に

丁寧に煮詰めていきます。

 

 

「書く前に、考え抜け」

といった作家がいましたが、わたしも、どこまでもそうだなと思います。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

http://noveldoujin.wixsite.com/novel-doujin