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ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

「虎の巻(「芸事などが上達する秘訣を記した書」)」には及ばないけど、でも、ほんとのことだけ記していくよ! 小説同人誌にまつわるそんな心意気を、もりもりこめたブログです。

小説全体が冗長になること(エピソードの取捨選択について)

小説技術

 

こんにちは。

猫宮ゆりです。

 

小説技術を掘り下げるこのカテゴリー、今回は

小説全体が冗長になってしまうことに関して。

 

趣味の小説同人誌は、もちろん自分の好きな長さで

つくっていいわけですし、

分厚い本をつくりたい!大長編をやってみたい!という

熱意は素晴らしいものです。

印刷所さんもそれを後押ししていて、たとえば緑陽社さんでも

本文800ページまで対応可となったり、厚い本をきれいにつくる

ためのコツなども公開されていたりしますね。

 

ただ、どう見ても明らかに間延びした場面や退屈なシーン、

意図のよくわからない長ったらしい展開が続くと

読み手はつまらないですし、本自体の力も弱まります。

 

むろん小説ですから、ひたすらにタイトで無駄がないものがいいかと

いえばそうではない。

余韻や遊び、気抜かしになる場面もないと不自然で、

読みにくくせせこましい仕上がりになってしまいますね。

 

 

なので……、

ほどよくゆとりを持った上で、冗長にならない本をつくるには、

エピソードの取捨選択と全体像の俯瞰が肝要です。

 

全体として見たときに、ああここはいらないな、とエピソードを

捨てることは、それへの思い入れがあればあるほど難しくなります。

 

愛着の強いエピソードだったりすると、その本では泣く泣くカットしても

温めておいて、別の機会で昇華させようと考える人もいるでしょう。

それ自体はまったくおかしなことではなく、とても普通で一般的な行為です。

 

ただ、思いきり徹底してエピソードを捨て、プロットも残さず消去してしまうと、

それまで考えもつかなかった語りかた・描きかたが浮上してきたりします。

元のエピソードよりはるかに、端的で明確な描写をおこなえる方法などが。

 

「どうしてもここを入れたいんだ」という意思が全体のボリュームを増やして

いくわけですから、こだわりのエピソードが多いほど総量がかさみます。

 

そして、エピソードにこだわるということは、

「これよりいいエピソードはもうつくれないかもしれない」

と、どこかで恐れているから、だったりするものです。

だから全部入れこみたくなるし、使えなかったら次に回したく

なる、ともいえるでしょう。

わたし自身も、そういう時がありました。

 

けれど不思議なもので、捨てれば捨てるほど、新しいエピソードは

湧いてきます。

使わないエピソードやメモ書きなどを、後生大事に保管しておくことも

しなくなりました。

 

ネタは鮮度が命です(/・ω・)/

 

 

そうすることで全体の風通しも向上し、俯瞰しやすくなります。

こうなると、ページ数や文章量を自在に動かすことが可能。

むやみに冗長な本になってしまう事態は防げます。

 

でも。

せっかくの同人誌ですから、むしろこだわりに特化して突き進むのも、

ありどころか大ありですけれどもね!

長ったらしさ上等、中身の濃ゆさ上等、これが俺の本なんだぜ、と

全面にうち出して、個性フルで活動してゆくことも同人誌ならではの

喜びに満ちています。

 

自分の好きなほう、自分の心がはずむほうを大切にしつつ、

素敵な本をつくってゆけたら最高ですね。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

http://noveldoujin.wixsite.com/novel-doujin