ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

「虎の巻(「芸事などが上達する秘訣を記した書」)」には及ばないけど、でも、ほんとのことだけ記していくよ! 小説同人誌にまつわるそんな心意気を、もりもりこめたブログです。

同人誌を創る時に。「面白くないんじゃないか症候群」って。

 

こんばんは。

猫宮ゆりです。

 

これが、年内最終の更新になります。

2016年11月に始動したこのブログ、そしてサイト

「ゼロからはじめる小説同人誌」を知ってくださった皆さま、

ありがとうございました。

新しい年も、創作活動と小説同人誌を愛していきたい所存です。

 

 

さて。

同人誌を創る際のあるあるとして、原稿中に

「この作品、面白くないんじゃないか……」

「二番煎じどころか何千番煎じだし……」

「こんなの誰も待ってないんじゃないか」

「面白い要素が全然ないとしか思えない」

こんな気がしてくる……という声をよく見かけます。

 

これは、どうしてなのでしょうか。

面白いと思ったから、やりたいと思ったから、それを

かたちにすべく原稿に励んでいるというのに、

なぜ途中でそんな気がしてきてしまうのでしょうか。

 

それは、ちょっと気持ちが揺れた時、疲れた時、

無理が続いた時などに起こりやすい気持ちです。

 

元気いっぱいで気力体力に満ちていれば、

メンタルもフラットで、集中して作業を進めることが

できます。

テンションも良い品質で上がりやすく、

「これだ!!」という確信に基づいて原稿が捗ります。

 

けれど、たとえば気持ちが揺れた時。

それは、Twitterやpixivで、優れた作品を読んだり

人気のある書き手さんを見かけたりした際、

自分の作品への思いがぐらぐらしてしまって、

萎縮したり劣等感をおぼえたりすることがあります。

 

また、仕事が忙しくて疲れていたり、

無理なスケジュールが続いて息切れしてくる頃合いなどでも、

自らを鼓舞してきた思いがふと折れると、

この「面白くないんじゃないか症候群」が顔を出してきやすいのです。

 

そうなると、原稿が停滞してしまったり、

進めていても楽しくなく、苦痛に感じてしまいやすく、

そのままスランプに突入するケースも出てきます。

 

結論からいえば、この問題の対策は、

「情報のインプットを取捨選択する」

「自分に集中する」

これに尽きます。

 

ひとつめは、入ってくる情報を精査し、不要なものは遮断すること。

自分にとって役立つ、有益な情報ならいいですが、

気持ちがざわざわするもの、もやもやするものはすべて、

可能な限りシャットアウトするように心がける。

「脱稿までツイ禁します」とTwitterで宣言している人をたまに

見かけますが、あれは作業効率アップだけでなく、

心の平穏を保ち、より良い状態で原稿を進めるためにも効果大です。

 

そしてふたつめですが、

ひとつめで外的に状態を整え、その上で、

今度は内的に状態を整える、「集中する」ことを深めます。

 

自分自身と自分の作品世界に集中する。

「これ絶対かたちにしたい!!」

そう思った時の、純度の高い衝動に肉薄する。

 

そうして集中できれば、

「面白くないんじゃないか」なんて声は、どこかに行ってしまいます。

 

ただ、ただ、それをかたちにしたい、

早く本にしたい、

それだけでいっぱいになります。

 

 

だいたい、せっかくの同人誌。

自分くらいは、その作品を100%、胸を張って好きでいましょうよ。

 

もしかしたら、地球上の誰もそれをいいと言ってくれないかもしれない。

けど、自分はこれが最高に好きだ。

だから、それでいいんだ。

 

そう思って出すと、それは読み手の心にも響くものです。

逆説的なようですが、自分の「好き」を突き詰めるほど、

強烈に支持してくれる人が増えるものなのです。

 

「面白くないんじゃないか症候群」は、

自らドツボにはまるようなもの。

周りの空気を窺おうとする細やかな人ほど悩みやすいとも、

他者からの評価を恐れる生真面目な人ほど引きずりやすいとも

言えます。

 

自分への「自信」は、お金で買うことができません。

拾うことも、もらうこともできず、

ただ、

貫いた分だけ手に入るもの。

 

 

「これ絶対面白い」

「これ、何がなんでもかたちにしたい」

「私はこういうのが大好き!!!」

そんな気持ちから、手を離さないで続けること。

それは、ほんとうに素敵です。

 

新しい年も、そんな素敵さの結晶である同人誌と、

創り手の皆さまを心より応援します。

 

どなたさまも、良いお年をお迎えくださいませ。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

http://noveldoujin.wixsite.com/novel-doujin