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ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

「虎の巻(「芸事などが上達する秘訣を記した書」)」には及ばないけど、でも、ほんとのことだけ記していくよ! 小説同人誌にまつわるそんな心意気を、もりもりこめたブログです。

文章をいきいきさせるには、リアルタイム描写が効く。

小説技術 小説同人誌の本文

 

こんにちは。

猫宮ゆりです。

 

巷でたまに見かける、小説同人誌の本文に関する悩みとして、

「文章に臨場感がない」

「文章の印象が薄い」

「文章に説得力や迫力がない」

というものがあります。

 

それはあくまで、創り手の主観の場合、

ほんとうにそうなのか?を判断するのは難しいですから、

読んだ人もそう感じるか、といえばそうでもないケースも

あるでしょう。

文章に対する理想が高いゆえに、自分の文章に課題を感じる

人も多いです。

 

むろん、終わりなき発展の余地がある創作世界ですから、

理想を高く掲げそれを追求し続けるのは素晴らしいこと。

己の作品に向き合い、鍛錬を継続するのは必ず、

自分の創作を豊かにするはずです。

 

そこで、今回は「リアルタイム描写」を薦めます。

これは、簡単にできて結果が出やすいトレーニングというか、

文章遊びですが、すぐに作品に活きてくるはず。

 

やりかたはほんとに簡単、今すぐ、自分の目の前のことを

どんどん描写していきます。

まずは、推敲を考慮せず、じゃんじゃんやっていきます。

はいスタート!

 

 

 窓からさしこむ陽の光がまぶしい。

 午前の陽光は柔らかいのに強くて、ゆり子の額の上を薄白く温めてくる。そのまぶしさにふと思索が止まり、ああ、紅茶を淹れてあったのだと思い出す。炬燵の右端へ置いていた茶器にそっと触れると、もうその熱かった温度はすっかり冷めてしまっていた。

 それでも、カップへ注いで卓上に出しっぱなしにしてあったミルクも合わせる。右手で取手をつかんでひと口、すっと飲むと、花の香気が立ってやはりおいしい。このフレーバーティーは、ゆり子が11月に札幌へ行った折に購入してきたものだ。

 横座りしていた両脚が、かすかに痺れを訴える。脚をずらして左の頬を掻き、降りかかるおくれ毛を耳のほうへと追いやる。

 息を吐けば、後方で作動している加湿器の音が、いやに大きく聴こえた。

 

 

 

こんな感じでやっていきます。

これは今のわたしが室内でやっていたのでこんなものですが、

カフェなどに行ってやってみると、もっと描写できることが増えるので

面白いですよ。

ちなみに今日のお茶はルピシアのウェディングです。好きです。

 

 

また応用法としては、出先での出来事をおぼえておいて、

あとからそれが今起こっているようにリアルタイム描写で活写し直して

みる。

こうすると、その場での空気感や雰囲気まで表せるようになり、

小説本文をつくる際にも、「架空の世界を、質感を持って表現する」

ことが磨かれてきます。

 

文章に臨場感を出すには、「今」に着目して表すこと、

文章の印象を濃く残すには、着目した「今」に肉薄すること、

文章に説得力や迫力を生むには、自分が「ほんとうに体感した事象」を

織りこむこと。

 

このすべてを、リアルタイム描写で修練することが可能です。

電車の中で、道を歩きながら、食事しながら、掃除の過程で、

いつでも、頭の中でもできます。

 

楽しいし時間つぶしにもなるので、

待ち合わせの時などにも便利です。

 

 

 

 と、ブログの記事を打ち終えて、窓の外を見る。

 表は風が強く、庭の木が枝をわさわさと揺らす。その寒さの中でも光を受けて透明な金色に輝く軒下のつららは、頻繁に溶けた雫を落としていく。

 1月、春はまだ遠い。しかしゆり子の心はもう、5月の東京へ向けられていた。

 

(PS.スパコミ出ます(/・ω・)/)

 

 

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

http://noveldoujin.wixsite.com/novel-doujin