ゼロからはじめる小説同人誌 の、猫の巻。

「虎の巻(「芸事などが上達する秘訣を記した書」)」には及ばないけど、でも、ほんとのことだけ記していくよ! 小説同人誌にまつわるそんな心意気を、もりもりこめたブログです。

「できること」は、やってみてから書く

 

こんばんは。

猫宮ゆりです。

 

今日のタイトル「できることは、やってみてから書く」、

わたしはこれを、とても大切にしています。

 

創作する際、資料をあたって下調べすることも大事だし、

行ける場所なら取材にいってみるのも有意義だし、

考証や検証をしてみることも、作品に説得力を持たせるために

非常に重要です。

 

でも、わたしの場合、それ以上に重視しているのは、

「自分でやってみること」。

 

作中に出すひとつひとつの動作、振る舞い、態度など、

すべてやってみてから描写します。

 

たとえば、

「○○は頬杖をついた」という描写ひとつとっても、

実際にやってみると、テーブルの高さや座っている姿勢が

どうなのか、それによって頬杖の具合が変わってくると

わかります。

 

また、

「○○は茶を飲んだ」だけだと、具体性に欠けますが、

実際に試してみれば、カップの持ち方でその人物を表すことが

できるバリエーションも増やすことができます。

 

「両手でカップを持ち上げ、ふうっと息を吹いた」なら

ちょっとぶりっ子な女の子、

「片手でカップをひょいと取って冷めた茶をあおった」なら

手の大きいちょっぴり粗野な男キャラ、

「細い指が静かにカップの持ち手を取り上げた」なら

上品なお姉さんキャラかな、など、

その場面に膨らみを持たせることができます。

 

動きの激しい場面などなら、一連の流れを自分がやってみると、

細かいところまで描けるようになります。

「あ、こう動くと髪がこんなふうに乱れるのか」

「こうすると、スカートの裾はこういうふうにめくれるんだな」

「腕をこう上げると、下着のストラップがずれちゃうな」

など、実感を伴う描写は臨場感を底上げしてくれて、ぐっと

場面に迫力が出るようになるのですね。

 

むろん、

戦争や人を殺傷するシーンなど、「できないことを、目の前で

起こっているように書くのが小説」ではあるのですが、

簡単にできることは、やってみるのが一番です。

 

絵画でも、想像上のものはイメージで描きますが、

実在するものは写生をしますよね。

それと同じことです。

 

自分の身体でできること、走る、転ぶ、倒れる、歩く、食べる、

飲む、話すなどは、

やってみると本当にそのシーンが生きてきます。

そしてその積み重ねは、想像で描写する際の筆力も引き上げて

くれます。

 

「できること」はやってみる。

シンプルですが、とても有効な方法です。

 

 

猫宮ゆり

ゼロからはじめる小説同人誌

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